思い出 ①
妊娠21週で胎児奇形のために中期中絶しました。
この悲しみと罪悪感は消えることはなく、心に重くのしかかってきます。
悲しみと向き合い「生きる」ことに前向きになるために綴っています。
私の赤ちゃんは、新生児用のベッドに乗せられて私の元へ来ました。
茶色のバスタオルが外されて、いよいよ対面。
私の赤ちゃんは、身長26センチ、体重360グラムのとっても小さな赤ちゃんでした。
目も、鼻も口も、手も足も、指もすべてがそろっていました。
人間でした。
皮膚がまだ薄いためか、細かい血管がみえました。
子どもの図鑑で見たことがある、胎児の写真のようでした。
触ってみると、粘り気のある肌。
でも頭は黒っぽくなっていました。
後でネットで調べたのですが、お腹の中で死んだ場合、産まれてきたとき黒っぽくなっているそうです。
抱っこすると両掌にのるくらい。
この子が、さっきまで私のお腹にいたんだ。
全く苦しそうな顔もしていなかった。
眠っているかのようでした。
でも何度触っても何も言わないし、泣かないし、動かない。
冷たい赤ちゃんは、動くことはありませんでした。
なんでこんなに悲しいんだろう。
涙があふれてあふれて、止まることがありません。
人生で味わったことのない悲しみを、私は感じているのです。
子どもを失うことが、こんなにも悲しなんて。
悲しいとかそんな言葉では表現できない。
看護師さんが隣で私の肩をなでながら「誰も悪くないから。お母さんは悪くないですよ。泣いてくださいね。お家に帰ったら、他のお子さんもいて泣けないでしょ。」
「誰も悪くない」決まり事のような言葉。
みんなが同じことを言うのを聞いて思いました。
「誰も悪くない?ウソ。私が殺したってみんな知っているじゃないか。」
何も考えられず、ただただ泣くしかなかったのです。
続きはまた明日。
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