胎児死産のための棺つくります

21週で死産した悲しみから、優しいママと天使のために棺とお布団を手作りしています。

お別れ ②

妊娠21週で胎児奇形のために中期中絶しました。


この悲しみと罪悪感は消えることはなく、心に重くのしかかってきます。


悲しみと向き合い「生きる」ことに前向きになるために綴っています。


「ご家族に連絡お願いします。」


枕元に置いてあった携帯を手にして、夫に電話をしました。


「今、分娩室に入ったから。」


電話を切ると看護師さんが言いました。


「分娩台に移動できる?」


いつもの出産と違ってお腹の痛みもひどいものではなかったので、体を起こして分娩台に乗りました。


看護師さんたちが準備をしています。


「先生に連絡して。今、手術の時間?」


「いえ、違います。先生、呼びます。」


そんなやりとりが聞こえてきます。


でも、もう涙が止まらないので顔を抑えたまま。


隣にいた看護師さんがそっとガーゼを渡してくれました。


「ごめんね。こんなのしかなくて。つらいよね。」


だんだんとお腹の痛みが強くなってきて・・・。


「ああ、産まれる。」


そう思って息を大きく吸ってはいた時、お腹の子どもは静かに静かに出てきました。


今までしてきた4回の出産に比べ物にならないくらいの、楽な出産。


私は今、小さな、小さな命を、終わらせたのです。


看護師さんたちが慌ただしく処置を始めました。


いつもの出産と違います。


産声も聞こえません。


静かに、静かにすべてが終わった気がしました。


看護師さんたちのほうを見てみると、分娩室の奥の部屋へと入っていきました。


先生が分娩室に入って来て、出産後の処置を始めました。


隣に来た看護師さんが教えてくれました。


「お母さん、とっても上手に産んであげましたね。傷もないし。とってもきれいな赤ちゃんですよ。がんばりましたね。今、きれいにしてもらっているから、後で会いましょうね。」


看護師さんが、今生まれた私の赤ちゃんを連れて奥の部屋へ入って行ったのでした。


奥の部屋で、私に会うためにきれいにしてもらっている。


普通の出産なら、すぐに私の手元に赤ちゃんが連れられてきておっぱいをあげたり、抱っこしたり、記念撮影をするのに。


もう涙が止まりません。


私の赤ちゃん、赤ちゃんはどうだったんだろう。


もう死んでいるんだろうか。


早く会いたい。


続きはまた明日。