入院の日 ②
妊娠21週で胎児奇形のために中期中絶しました。
この悲しみと罪悪感は消えることはなく、心に重くのしかかってきます。
悲しみと向き合い「生きる」ことに前向きになるために綴っています。
心の準備もできていないまま、処置室に入りました。
検診の時と同じように、診察台に座りました。
担当の医師は、今日は1日中外来がある日なので、1回目の処置は他の先生になることは聞いていました。
初めて顔を見る女の先生。
「今から始めますから。ちょっと痛いかもしれないけど、ごめんなさいね。」痛みもなく、簡単な処置でした。
「11時16分。」診察台にのりながら、壁の時計を見ました。
カーテンの向こうでは先生と看護師さんがやりとりをしていて、私の処置は進んでいきます。
これでお腹の子どもとお別れになってしまう。
お別れの始まりだ。
もうもどれないんだ。
私は今、何をしているんだろう。
私は、子どもの命を終わらせようとしている・・・。
診察台からおりて、服を整えて部屋から出ると、女性の医師はPCに向かって何か入力中。
これからどうなるとか説明もないまま、病室に帰ってもいいと言われました。
もうどうでもよくて、先生の顔も見たくなかった。
でも不安になって、看護師さんに聞きました。
「今日は、今日産まれるとか、どうかなるとか、そういうことはないですよね。」
これを聞いた女性の医師が振り返り「今日はまだ大丈夫。今日どうかなるとかは何もないから、どちらかというと今日はゆっくりと休んで。」
看護師さんが「夕方にはいつもの先生が来て、2度目の処置があるから。それまでゆっくりとしていてくださいね。」と言いました。
ゆっくりってどう過ごすの?と思ったら、急に涙が出てきて必死に「はい」とだけ答えて、涙を隠して病室へ戻りました。
続きはまた明日。
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