胎児死産のための棺つくります

21週で死産した悲しみから、優しいママと天使のために棺とお布団を手作りしています。

出産後、最初の夜①

妊娠21週で胎児奇形のために中期中絶しました。


この悲しみと罪悪感は消えることはなく、心に重くのしかかってきます。


悲しみと向き合い「生きる」ことに前向きになるために綴っています。


今夜は、「千惺(ちさと)」と出産後、最初の夜を過ごします。


夕食が運ばれてきました。


この後、看護師さんが来て、「どれくらい食べました?」って聞くんだろうな。


こんな時に誰が食べる気になるんだろう。


なんでそんな残酷なことを聞くんだろう。


ずっと「千惺(ちさと)」を見ていると涙が止まらないので、PCで残りの仕事をしました。


そうでもしないと、自分の生きている意味がわからなくなる。


「千惺(ちさと)」と二人っきりの病室で、「千惺(ちさと)」の姿をじっと見ていると、自分が息をして私だけが生きていることに耐えられなくなるのです。


何か、他に考えて何かに集中したかったのです。


今日は木曜日で、来週の月曜日には私はまた仕事。


本当は仕事なんてしたくない。


でも仕事をしたほうが、忘れられるかもしれない。


そんな考えがぐるぐるして、休むか、行くかずっと考えていました。


普通に出産したのだったら信じられないことだけど、月曜になったら私はまた普通に、普通の顔をして仕事に戻るのだろう。


ダブッとしたワンピースを妊娠していない時から着ていたから、気づいている人も少ない。


私の年齢のこともあって、妊娠したことをまだ上の人以外には言っていなかったし、なぜか言いたくなくてずっと隠していた。


今考えると、それがよかった。


妊娠したと伝えていたら、その分だけ「私死産しました」と伝えなければならないから。


誰にも言わなかったって、もしかするとこうなることを自分で知らないうちに予測していたのかな。


高齢出産だから、当然かもしれない。


PCで仕事をしながら「千惺(ちさと)」を見ると、上にかけてあるタオルが上下に動いているように見えて「息をしているんじゃないか?」と思ってしまいました。


「私の赤ちゃん、息、しています、生きています。」思わず、叫びそうになりました。


そして冷静になって、そんなことを叫んだら、私きっと違う病棟に連れて行かれるな、そんなふうに自分を冷たく笑いました。


こんな真っ黒な頭をした子が生きているわけないじゃない。


それに産まれてきても自発呼吸もできないと言われた子が、息をしているわけないじゃない。


こんな不安定な気持ちで「千惺(ちさと)」と過ごす夜が始まりました。