1か月検診②
妊娠21週で胎児奇形のために中期中絶しました。
この悲しみと罪悪感は消えることはなく、心に重くのしかかってきます。
悲しみと向き合い「生きる」ことに前向きになるために綴っています。
中絶した病院は、自宅から歩いて5分ほど。
毎日のように、車で前を通ります。
本当は行きたくもなかったのですが、1か月検診の今日はどうしても行かなくてはなりません。
考えただけでも、手先が冷たくなり動悸がするのです。
朝、2番目の子どもが「おなかが痛い。」と言って、下痢。
こんな日に限ってと思いながらも、ひどくなってもかわいそうなので休ませました。
2番目も一緒に病院へ行くことにしました。
1人で行くよりも、まし。
いよいよ検診。
名前が呼ばれ、診察室に入りました。
担当の医師が私をみながら「あ、どうかな。その後。うん。」
周りから気を遣われるのも嫌でした。
「大丈夫です。」そう答えました。
「じゃ、内診しましょうか。」
診察台に上がり、診察が終わり、再び診察室へ。
医師「もう、子宮もきれいになっているし、卵巣も腫れてないのでもう大丈夫ですよ。」
何が大丈夫なのでしょう。
続けて医師が言いました。
「どうします?次もがんばる?」
がんばるとは次の子どもをつくるかどうかということです。
きっと、みんなに聞く決まった質問なのでしょう。
私は言いました。
「もう、いいです。」
医師は苦笑しながら「まあ、次もがんばるなら、次の生理を待って、それからがんばってみましょうか。」
もう1人なんて、無理でしょう。
「先生もわかってますよね。私、41歳ですよ。次なんてないんです。」そう言いたかった。
次の可能性がまだあるのなら、ここまで悲しくなかったのかもしれません。
また次もあるからと、あきらめられたかもしれません。
それはなく「千惺(ちさと)」は「千惺(ちさと)」なので、罪悪感から逃れられないのですが・・・
「次もまた同じ病気だったらどうするんですか?」聞きたかった。
次もまた同じ病気なら、中絶するんですか?
奇形なら、その命を絶ってもいいのでしょうか。
医師にとっては簡単なことかもしれませんが、母である私には無理です。
医師が「何か質問あります?」と聞きました。
「ありません。」
そう答えるしかありませんでした。
もう、次もなく、これからもなく、後にももどることもできず、「千惺(ちさと)」が死んだことは、何も変わらないのですから。
そしてこれ以上、小さな命を絶つことはしてはならないのです。
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