火葬③
妊娠21週で胎児奇形のために中期中絶しました。
この悲しみと罪悪感は消えることはなく、心に重くのしかかってきます。
悲しみと向き合い「生きる」ことに前向きになるために綴っています。
「合掌」
ボタンが押されて、「千惺(ちさと)」はもう、あの姿を私の前に見せることはありません。
火葬場のカギが渡されました。
「火葬が終わりましたらまたここを開けますから、それまでお預かりください。」
小さい棺なので、1時間ほどで火葬は終わると言われました。
それまで火葬場の近くを散歩しながら待つことにしました。
1時間も経たないくらいに、夫の携帯が鳴りました。
「もう終わるって。」
火葬場に戻る時間。
そして「千惺(ちさと)」の骨を拾ってやらなければなりません。
先ほどの銀色のストレッチャーに乗って、私たちの目の前に来ました。
これから「千惺(ちさと)」の骨を拾います。
スプーンのようなものと、ほうきのようなものと、はたきのようなものといろいろな物が用意されていました。
係の女の人が説明してくれます。
「これは、足の骨ですね。一番太いところです。」
しろい、とっても細い骨が残っていました。
それを夫が箸のようなもので拾います。
「これは頭の骨ですね。」
私がスプーンで拾いました。
残らないと思っていた骨は、思っていた以上に残っていました。
私が「よかったね。けっこう骨が残って。」というと、係の女の人も
「そうですね、21週にしてはお骨は残ったほうですよ。」
と言ってもらもらえました。
他の赤ちゃんが、どんなふうに亡くなって、どんなふうに最後を迎えて、火葬されていくのかはわかりません。
でも本当は、他にも亡くなる赤ちゃんがいることを知りたかったのです。
「千惺(ちさと)」だけが死んだのではなく、他にも亡くなっていく赤ちゃんがいることを知りたかった。
誰にも言えない悲しみを、同じような思いをしている人がいると思うことで癒したかった。
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